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八丁堀の牛タン居酒屋のブログ・・さんま不漁、その3
2019/12/04
「日本は’03年からサンマの分布調査を行っており、
日本近海から西経165度までの北太平洋海域における資源量は、
今年は142万tと推定されています。
これは昨年よりも3割少なく、特に日本近海のエリアに
ついては、資源量ゼロという数字が出ています」
小松氏によれば、’02~’05年の時点では、北太平洋
には300万~800万tのサンマ資源があったというから、
激減である。
「ただ、調査データによると日本海域に近くなるほど資源
は少なく、遠くなるほど多くなっています。このことから、
資源量自体が減少したという見方のほかに、調査範囲外の
東の海域に生息域が移っている可能性も考えられます。
そうなると当然、日本近海に回遊してくるサンマの数も
少なくなり、獲れる絶対数も減少します」
こうしたサンマの回遊状況の変化は、海洋環境の変動に
対応したものと小松氏はにらむ。 「温暖化の影響は、
サンマが好む浅い海面でより顕著に表れます。
宮城県の石巻市沿岸域の海面で4℃、高知県の宿毛市で5℃
上昇しているという漁業者・養殖業者の話もあります。
そうなると温かい水がフタとなり、海底に積もった栄養分が
海面に上がる流れを塞いでしまう。
また、湿地帯などの埋め立てにより陸から海に流入する栄養も
減少していますから、日本近海は栄養が少ない状態になる。
魚も近づいてこなくなるわけです」
実際、同じく回遊魚として知られるサケも日本近海から遠のき、
漁獲量はピーク時の3割以下だ。
サンマどころか他の魚もいずれ食べられなくなる日が来ると、
小松氏は警鐘を鳴らすのだった。